イベント・メディア技術:建物内LAN配線(カテゴリ選定)を 3 分で理解

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この記事の内容(要約)

LAN 配線の「カテゴリ(Cat)」は、建物内ネットワークの性能(周波数・データレート等)だけでなく、距離・ノイズ耐性・施工性・将来拡張まで左右します。

“CAT を上げれば安心”ではなく、固定配線(単線)/パッチ(より線)、UTP/シールド、部材の互換(プラグ・ジャック・パッチパネル)まで“システム”で揃えるのがコツ。
Cat6/ 6A/ 7/ 7A/ 8 の違いは「用途」「距離」「ノイズ環境」で決めるのが基本。特に建物内の総延長(固定+パッチ)は一般に 100m を前提に計画されます。

  1. 用語の定義:そもそも「カテゴリ(Cat)」とは?
  2. イベント・メディア技術で “LAN 配線ミス”が痛い理由
  3. 代表例:Cat5 〜 Cat8 の違いを「用途×距離×ノイズ」で見る
  4. よくある誤解:カテゴリ選定で失敗する“ありがち” 5 つ
  5. HELUKABEL への問い合わせ

用語の定義:そもそも「カテゴリ(Cat)」とは?

「Cat(カテゴリー)」は、銅製ネットワークケーブル(LAN ケーブル)の“標準化された区分”で、周波数帯域・伝送特性・シールド要件・(固定配線+パッチを含む)認可長などに関わります。
建物内 LAN 配線のカテゴリ選定は、要件が増えるほど「性能だけでなく、コストと施工難易度も上がる」点が重要です。

現場で混同しやすい関連用語

  • 固定配線:壁内・天井裏・配線ラックに敷設される“動かさない”区間。一般に単線(ソリッド)が想定 → ネットワークケーブル
  • パッチコード:機器やパッチパネル間をつなぐ“短い”区間。一般により線(ストランデッド)が想定 → LANパッチケーブル
  • UTP / シールド(例:S/FTPなど):ノイズ環境で信号品質が変わるため、電源線・インバータ・モータ・照明制御などが近い設備では“シールド前提”で検討も → シールド付きネットワークケーブル

参考:カテゴリと用途(固定配線/パッチ、単線/より線)の考え方は、こちらでも整理されています。
イーサネット規格と「カテゴリ」の関係
LAN パッチケーブルガイド

イベント・メディア技術で “LAN 配線ミス”が痛い理由

イベント・メディア技術の現場では、映像・音声・制御・監視・セキュリティなどのネットワーク化が進み、建物側の配線(固定)と機器側の接続(パッチ)が一体で動きます。
ここでカテゴリ選定が曖昧だと、次のような手戻りが起きやすくなります。

  • 速度・安定性不足:想定したデータ量に対してカテゴリが不足し、遅延や不安定が起きる
  • ノイズの影響:電源・照明・モータ・制御盤が近い環境で、シールド方針が曖昧なまま施工される
  • 部材互換の問題:ケーブルだけ上げても、プラグ/ジャック/パッチパネルが追随せず性能が出ない
  • 工事コスト増:やり直しが発生すると、天井・壁内の再施工が重く、コストと工期に直撃

つまり、カテゴリ選定は“性能の話”だけではなく、工事を一度で終わらせるための設計判断でもあります。

代表例:Cat5 〜 Cat8 の違いを「用途×距離×ノイズ」で見る

ここでは、現場でよく出るカテゴリを“ざっくり”整理します(詳細は規格・試験手順に準拠して確認してください)。

1) まず押さえる前提:建物内は「総延長 100m」が基本設計になりやすい

銅 LAN の配線設計では、一般に固定ケーブル+パッチケーブルの合計で 100m を前提に組まれます(例:固定 90m +パッチ 10m の考え方)。
この前提に合わない(短距離しか想定されない)カテゴリもあるため、最初に距離条件を固めるのがコツです。

2) カテゴリの目安(超要約)

- Cat5 / Cat5e:要件が少ないシナリオで使われることがあります。
- Cat6:近年は Cat6 以上が頻繁に使われる傾向。
- Cat6A:10G クラスを“距離込み(100m)”で見たいときの定番候補。
- Cat7 / Cat7A:高いシールド要件を前提に、安定した信号品質を狙う領域。
- Cat8:非常に高い帯域を狙えますが、多くの場合短距離(例:30m 程度)で有用とされ、部材要件も厳しくなります。

参考: Cat5〜Cat8の技術的差異や注意点の整理

よくある誤解:カテゴリ選定で失敗する“ありがち” 5 つ

誤解①:ケーブルだけ Cat を上げれば性能が出る

→ 実際は、プラグ、ジャック、パッチパネル等の部品カテゴリが揃って初めて性能が出ます。( 接続部材

誤解②:固定配線もパッチも同じケーブルでいい

→ 建物内の固定配線は単線、機器間のパッチはより線が一般的、と整理されています。

誤解③:UTP(非シールド)の方が扱いやすいから“全部 UTP”

→ ノイズ環境(機械室・制御盤・モータ・照明制御など)では、シールド構造が推奨されるケースがあります。

誤解④:Cat が高いほど“無条件にコスパが良い”

→ Catが上がるほど、材料費だけでなく設置時間・施工難易度が増えることがあります。「いま必要な性能」と「将来の拡張」を分けて評価するのがコツです。

誤解⑤:建物内 LAN と、産業用イーサネットは同じ前提で選べる

→ 産業環境では、可動・ドラッグチェーン適性・耐油・高ノイズなどの条件が加わり、産業用カテゴリで検討するのが近道です。
産業用イーサネット

参考:HELUKABEL の 製品検索 では、建物内向け(Cat5〜Cat7A)の「ネットワークケーブル」カテゴリ、産業用イーサネット(PROFINET、EtherCAT 等)カテゴリが整理されています。

HELUKABEL への問い合わせ

HELUKABEL の製品検索ツールでは、カテゴリ(Cat5〜Cat7A等)だけでなく、用途に応じてシールド有無/単線・より線/ハロゲンフリー/難燃性/屋外対応などの条件で候補を絞れます。

※バスケーブル(KNX等)は、建築設備(照明・空調・セキュリティ等)の制御ネットワークで使われます( 製品ページ )。
条件が固まらない場合は、用途条件(環境/可動/規格/数量/希望納期)を添えてご相談ください。

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